機嫌最悪な教員

1/1
前へ
/27ページ
次へ

機嫌最悪な教員

 明けて、学校の授業があったんだが、やっぱり俺は凄い機嫌が悪かった。 「おいそこ!ウィンドカッターの使い方が悪い!こうだよ!」  俺が発動したウィンドカッターが、目印の木の上をバッサリ切り裂いた。 「ウィンドカッターの要訣はな!?殺意だ!殺意を込めて首を刎ねる!その要領でいけ!」 「うえええ?!解りました」  怒られたルルコット・タルボットは、怯えてそう返事をした。 「あああ。穏やかなルルコット苛めないでよダーリン。ねえ?!ルバリエ先生が相手してくれないなら、私が相手しようか?!空き教室でバコバコする?!」 「いちいち反応すんなエメルダにイゾルテ!あああアリエールまで!お前なんか相手して堪るあああああ!」 「どうでもいいですが、荒みっぷりが半端ではございませんわね」 「ねえ先生?私――いつでも先生の赤ちゃん生むけど?」 「うるせえってエメルダボケえええええええええ!俺が!奥さん以外とそうなる訳ないだろうが!」 「ひ、酷い!先生、私、こんなにお乳いっぱい出るのに?!」 「何泣きべそかいてんだ?!乳臭鬱陶しいんだよ!ああそしてユノお前!」 「――え?発動遅延型の、ウィンドカッターですが、何か?」  この馬鹿魔法だっつってんのに、正拳突きの拳圧で、柱をスパッとやっていた。  よく解らんがこう言えた。こいつ、魔法少女になるって言ってたのに、ここに通って、益々武闘家としてレベルが上がっていた気がする。 「お気に召さないなら、これならどうでしょう?」 「お前!スライム掴んで何する気だ?!」 「トゥンヌルァカッター、です」 「アルフォンスだああああああああああ!」  投げたスライムは、鋭く変形し、柱をみんなスパってして戻ってきた。 「使い魔による、殺戮魔法ですが、何か?」 「何かじゃねえよおおおおおおおおう!ボケええええええええええええええ!」 「駄目だ。このクラス」  ブリュンヒルデ・レトナシワが、ぼそっと呟いていた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加