温泉ツアー勝手に始まる

1/1
前へ
/27ページ
次へ

温泉ツアー勝手に始まる

 うん。改めて思った。  うちの生徒、駄目だ。  まあ色々あったよ?春に連合と喧嘩。梅雨時に魔王と神の喧嘩。夏の始めに王宮の騒動。9月最初頭にゴーラと喧嘩。10月には継承者とジェイドのことがあったり。  あああ。文化祭もあったよな?よく解らんけど滅茶苦茶になった。  まあうちの生徒、どいつもこいつも普通じゃないんだもんなあ。  今更、基礎的な理論学ぶ時間なんかなかったしさ。  実技は凄いが、基礎理論がメタメタ。  そんなのが、対抗戦なんかやれんのかねえ?  方陣から出ると、見慣れたスパリゾートのロビーが見えて、  マリルカのアホが、ダッシュで出迎えられていた。  物凄いペコペコされてるんだもんなあ。  あああ。それでかあ。  こないだ、俺とフラさんが温泉でしっぽりしようとしたの、邪魔出来たの。  フロントで騒ぐ連中を一喝。フロントに駆け込んで、ロイヤルとかスイートとかって予約を全部キャンセルした。  ええ?一泊したい?あれか、王立公園キャンプ駄目になったもんなあ。  まあいいや。2段ベッドのドミトリーを一部屋お願いします。一番安いドミな?  俺?一番安い個室お願い。  まあ一応、俺の名前も認知されてるのがよかった。  急いで準備してくれたっぽい。  部屋に入ると、何かベッドが膨らんでいた。  無言でシーツを引き剥がした。 「ベッド1ー」 「ベッド2ですわ」 「ベッド3♡」 「ああぱいがいっぱい♡ベッド4♡」 「ベッド5です」  全員、即座に簀巻きにして外に放り出した。  誰もいなくなった部屋で、ベッドに座って、深い深い溜め息を吐いた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加