1人が本棚に入れています
本棚に追加
『うめぼうしナイト』 2
ある夜、件の公園にバドミントンしにきた、うめぼうしナイトは、一人の老人が、首をうなだれ、手にナイフを持って、ブランコに座っているのを見た。
それは、うめぼうしナイトの仮の姿、つまり、生姜診療所の院長センセの、常連さんである、なやまーしん、さんであるのは、一目瞭然であった。
『また、ろくでもないとを、考えているな。』
うめぼうしナイトは、となりのブランコに座った。
『あなた、どうなさいましたか?』
『わっ。で、でたあ!』
なやまーしんは叫んだ。
『しっ! なんですか。心配して声をかけたのですよ。真夜中なんですから、お静かに。ナイフなんか握って。ぶっそうですよ。なやみ、聴きましょう。まずは、この万能薬を飲んで、落ち着きましょう。さあ、どうぞ。さあ、さあ! うめぼうしい❗』
『おぎゃ。万能薬品、こあ!……いやいや、恐れ入ります。じつは、最近、この公園に、梅干し妖怪と美女が出て、バドミントンをするのです。我が家は、ほら、あれでしょう。丸見えなので、気になって気になってしょうがないと。正体を見極めようときました。まず、あなたから! はあ❗』
うめぼうしナイトは、その、開いたお口に、万能薬を放り込んだ。
『うぎゃ。す、す、す。』
なやまーしんは、走り去った。
『あれで、良かったかなあ。』
その晩からは、バドミントンの場所を、うらうら山の公園に、変更したのである。
きつねの美女は、わりに喜んだのだが、うめぼうしナイトには、町から離れるという難点があった。
🦊🍜チョイウマイ!
最初のコメントを投稿しよう!