#06 動き出す気持ち

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Edelweiß(エーデルヴァイス) , Edelweiß……」  3年ぶりの弾き語りは、予想以上に骨が折れた。  歌はさておき、問題はピアノだ。指の関節が凝り固まりすぎて、弾くこと自体に苦戦する。 「駄目だー……やっぱりブランクが大きすぎますよね」  こんな耳も当てられない演奏なんて、弾かないほうがマシだ。小夜は恥ずかしさを隠すように苦笑したが、奏介は笑わなかった。  気まずさに黙り込んだ、次の瞬間。彼はふいに席を立ったかと思うと、背後から小夜の手に手を重ねた。 「っ……!?」  背中と腕、そして手に奏介の体温を感じて、急激に鼓動が速まっていく。 「そのまま続けて」  背中から、すっぽりと包まれているせいか、低く穏やかな声が耳のすぐ傍で聞こえる。 「Edelweiß , Edelweiß Du grüßt(ドゥ クルス)mich jeden Morgen(メッヒェンデル モーゲン)……」  柔らかな歌声と優しい指先に導かれて、小夜は少しずつ感覚を取り戻していくのを感じた。  -------------- Du grüßt mich jeden Morgen 《あなたは私に毎朝挨拶をしてくれる》 ※ルビは耳コピです(。>ㅅ<。)💦
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