プロローグ

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プロローグ

俺はいわゆる亭主関白とかいうやつらしい。 妻の裏垢にそう書かれていた。確かにそうだ。だが、妻の裏垢に怒りを感じていた。 結婚して早々、やつには愛想がつきた。 まぁ、始めとなったのは「同棲してからの家のこと」だ。 9時に仕事から帰ってきてもできていない飯。 掃除されていない風呂。 散らかり果てたリビング。 リビングは俺が汚してるとも言えるが、片付けるのが 俺がせっせか働いて稼いだ金を使って少しは有効なことをしろと思う。 その他にも不満はたまっていた。 最近、やつには新たな男ができたらしい。 安い香水の匂い。 やけに増えたコスメ。 スマホの通知にでてきた『たかしさん💕』という人。 不倫確定だろう。 だが俺は気にしてもいなかった。 好きでもないやつのことなんぞどうでもよかった。 そしてしばらくして、俺はキャバクラに行くようになった。 キャバ嬢に貢ぐ日々。俺は帰りは12時を回っていた。 なのにやつは心配もしてこない。 家に帰っても怒りが湧くだけ。 帰りたくなかった。 家に帰るのがしんどかった。 ある日、覚悟をきめて市役所に向かったときだった。 中学時代の同級生、翔太に声をかけられた。 翔太は中学時代、イケメンでとてもよくモテていた。 そのとき、俺は片手に離婚届けをにぎっていた。 「やあ!美嘉些(みかさ)くんじゃないか!あれ、その片手の離婚届け、まさか、、」 翔太の察しはとてもよかった。 「離婚するのさ」 俺はそうして今までのことを話した。
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