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覚めてしまった現実にはいつもの淀んだ空気が流れ込んでいた。
夜空はいつものように星が…
いや、見えていた…。
どうやら、停電があったらしい。
それでほとんどの民家が真っ暗になってしまった。
もちろん、私の家も。
これは私の願いが叶ったのか?
真実はどちらか分からないけど、そのおかげか散りばめられた星屑達が一つ、また一つと灯り始めた。
そして、星達が輝き始めたとき一つ星が流れた。
だが、それで終わらなかった。
長く流れる星。短く流れる星。同時に流れる星。
流星の時間は終わったはずなのに、今が始まりの時と言わんばかりに流れていた。
ああ、こんな淀んだ空間でも綺麗な流星群が見れるなんて……
「この世界も捨てたもんじゃないな…」
そう呟きながら流星群を見続けた。
停電が直るまでは……。
今宵も付き合ってくれてありがとう。
また別の夜で……また会おう……
End
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