きざはし

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人工食が、まだいくつか残っている。 この世界の年月を計測する腕時計の端に『十九年経過』と、出た。 本当に一年ぶんの近道をさせてくれたのだ。 ついにコイガネ国へと入国できる。 王様がくれた紹介状を改めて確認したり、宿で髪型を整えたり、 新しい服を上下で買って着替えたりもした。 そうして、ドーム型のシールドに覆われた街を目の前にして......。 僕は、膝が震えて砂の上に座り込んでしまった。
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