きざはし

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それは突如として世界を揺るがした。 異世界の『タカル』という国が、住民を集いたいと 僕らの世界にコンタクトしてきたのだ。 政府はタカル王国との同盟を築き、タカルへと移住できるように 新しい法律をつくろうしたのだが......。 それがマズイことになった。 病気、借金、精神的苦痛、生活困難、単に世の中が嫌い。 そういう『現実逃避』の逃げ道になったからだ。 それ以外にも、普通の生活でも国への不満はあるとか。 日本だけじゃない、何も不満なく生きてる人のほうが少ない。 移住したい人々にあふれてしまった結果、一度は転生システムの 見直しになった。 それで取り組みを改めた結果が『その国へランダムに転生する』 『別世界へと行くのではなく、生まれ変わるか、転移する』 この時点で応募者は激変した。 なにしろ転移か転生かもランダム。 人か動物か虫か?ときに精霊や魔法使いの場合もある。 最初に告げられていた『一般市民としての移住』からガラリと変わり 興味が失せた者が続出した。 それでも転生を望む者も少なからずいる。 そうして転生システムは均整が取れている。
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