きざはし

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「ようこそ、タカル王国へ」 ベッドらしきものに横たわっている僕を、大人の男女が見つめている。 頭がぼんやりしていて状況が把握できなかったけれど、頭部に極小な 管がいくつも接続されていて、次第に情報が入ってきた。 僕は人間に転移できた。 タカル王国という平和な国に、トオルの姿と記憶をもってこれた。 両親は、母親が子供のできない体質で里子を欲しがっていた。 そこに僕は送られてきたのだ。 「以前の世界と、あまり変わらないけれど、ゆっくり慣れてね。 名前はトオルのままでいいわ」 母親である人物が言ってくれた。 父親である人物もうなづいてくれた。 僕は良い家に転生できたのだと実感できていた。
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