きざはし

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ベッドで寝ているあいだの半年間、この世界での習慣、言語、マナー、 それらを学んでいけた。 おかげで退院して17歳として学校に復学してからも、友人や仲間も つくることができた。 特にタッカーという親友ができて、彼は色々と教えてくれた。 茶髪でイケメンで、口数が少ないのに、優しさが伝わる男だ。 「トオルは球技が上手いね、将来はプロになれるかも」 タッカーが言ってくれたけど、先のことは曖昧だった。 「やあトオルくん、新しい生活はどうだい? 困ったことがあれば、なんでも相談してくれたまえ」 タカル王国は平和で貧困や差別が無くて、王様も気さくで話しやすい。 ぼくらの世界からの転生や転移による新たな発展にも、前向きに 取り組んでいる。 そんな順調な日々において。 メイと再会するという目的があるわけで。 僕はタッカーに打ち明けてみた。 「それなら『転移管理局』で、調べられると思うよ」と、言われた。 転生システムで、こちらの世界と僕たちの世界とで、知識を共有して 良好な関係を結んでいる。 だから望む相手にも会わせてくれるのだそうだ。
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