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「そんなことないよ、秀平。すごく素敵な言葉だと思う」
「ほんと?そう言ってもらえると、ちょっと安心する」
「うん、うん。秀平が素直な気持ちを伝えてくれるだけで、すごく嬉しいから。それにあたしも秀平の笑顔に元気づけられてるよ」
お互いがお互いの笑顔に元気づけられるってとても素敵なことだ。
「ならよかった。お前の笑顔が俺の力になるって、これからもずっとそう思ってる」
「あたしも、秀平の応援が力になるよ」
「たまにはそのストックされてる便箋使ってもいいけどなるべくならファンレターじゃなくて、直接言って欲しい。桜希の言葉が俺の力になるんだ」
あたしが書いた便箋に触れ、その手紙を愛おしそうに見つめる姿になんとも言えない温かさを感じる。
「随分愛おしそうに便箋見るね?」
「これが桜希からだって思ったらめっちゃ尊いものにみえてきた。家に帰ったら他の手紙も見返すわ」
「待って!秀平って手紙取っとくタイプ!?」
秀平が誰だかも分からないような人からの手紙を大事にの取っとくとは思えない。
驚きのあまり大きな声が出てしまい、慌てて口を塞ぐ。声が響いたことに気づきながら、少し恥ずかしさを覚える。
「いや、取っとかない。でも花さんのだけはなんとなく取っといてた」
「へ、へぇー……」
自分が書いた手紙が、たとえ自分の名前ではないとしても、大事にされていたことに複雑な気持ちを覚えた。少し照れくさいけれど、同時に心が温かくなる。
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