【プロット】消えた花嫁とタイムループ

　結婚式当日、花嫁が忽然と姿を消す。新郎は悲しみに暮れるが、翌朝目覚めると、また結婚式当日。彼はタイムループに囚われ、花嫁消失の謎を解き明かす。

　結婚式を明日に控え、円華は段取りをチェックしていた。
　ピンクに盛られたネイルが、艶やかにデスクライトを反射し、眩しいこの世の光を集めたかのようにきらめく。
　翌朝、身支度をしていた新郎の雅樹は、式場からの電話を取った。
　新婦の姿が見当たらないというのだ。
　式場へ急いで向かう雅樹は、歩道を走った躓き、派手に転ぶ。
　起き上がるとライブハウスの隅に立っていた。
　大音響に包まれた会場の熱気は最高潮に達し、観客が総立ちでステージに向かって叫ぶ。
　雅樹が目にしたのは、マイクを手にまばゆいスポットライトを浴びて歌う円華の生き生きとした姿だった。