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その強さの秘訣は、まず近辺の土豪を統率し、整然とした内部組織を作り上げることで武士の軍団と同等の力を持っていたことにある。
次に、天文年間に種子島に伝来した鉄砲に目を付け、製法・射法の技術を自家薬籠中の物にしたことにある。
近代兵器を操る獰猛で組織だった僧兵たちは戦国の世でひと暴れしたのだ。
それだけではなく、いつからか根来寺の僧兵たちの中に、忍術に秀でたものたちが影から僧兵たちを支えるようになっていたのである。
ただの忍びとは異なり、伊賀や甲賀のものたちさえも瞠目するような奇怪な術さえも操る忍びの群れが根来衆の裏で暗躍し、戦国武将たちを翻弄し続けたのである。
軍と鉄砲、忍術の三つの力でもって、天正十三年に豊臣秀吉の軍勢に屈するまで、根来衆はその威を誇り続けた。
一度は滅亡したものの、残党たちは徳川家康によって召し抱えられ、僧兵たちは「根来同心」として江戸城諸門の警備、忍術に長けたものは忍びとしてそれぞれ任についたという。
根来同心はもとが僧兵なので髷を結わず、髪をぼうぼうに伸ばした総髪という異形をしていたが、それだけはどちらも変わらなかった。
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