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皺を伸ばしながらせっせと洗濯物を干していくと、寒気も感じなくなり体がぽかぽかと温かくなってくる。ちなみにノアは洗濯物は全て魔法で洗って魔法で乾かすらしい。
一度、「アンナの分もやりましょうか」と声を掛けてくれたことがあった。なんて便利なんだろう! と食いつこうとして、中には下着などもあることを思い出して断った。もしかしたらノアに見られるかもしれないリスクがあると思うと、自分で全部やった方がいい。
ただシーツなどは彼の魔法にお願いすることもある。
「そういえば、私がびしょ濡れになった時も魔法で乾かしてくれたことがあったっけ」
思い出してふふっと笑ってしまう。海に落ちてノアが助けてくれた時のことだ。ちなみにパウルはあの後も元気にしていて、たまに顔を出して一緒にパンケーキを焼く仲になっている。ノアがいなかったら、あの小さな笑顔も守れなかったのだと思うと、今でも時々ぞっとしてしまう。
「さて、これで最後……」
そう一人呟いて干し終え、満足して空を見上げた。雲一つない青空だ。木々が揺れ、パリパリになった枯れ葉を地面に落としていく。
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