あなたと話したい

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 そろそろノアは目を覚ますだろうか。起きたらリビングに降りてきてくれると思うのだが……とりあえず中に入ろうと家の方を見た時、背後で足音が聞こえた。ゆっくり葉を踏む音だ。  反射的に振り返り、息を止める。  腰までの長いブラウンの髪と、クリっとした大きな二重。白いコートに身を包んだ可愛らしい女性は、私の姿を見てにこりと笑った。  私はその姿に衝撃を受け、洗濯物を入れていた籠を手から落とす。 「久しぶり、アンナ」 「……なんでここにいるの、ミランダ」  唖然としつつ出たその名は、私の古い友人の名だ。  確か十二、三歳の頃、私の街に越してきた少女、それがミランダだ。年も同じなのですぐに仲良くなり、幼馴染でもあったハリスも交えてよく遊んだ友達。私とハリスの結婚を聞いて、みんなでお祝いしよう! と婚約パーティーを開いてくれたのも彼女だった。  そしてーーハリスと私の家で裏切り行為を行った相手でもある。  一夜にして婚約者と友達両方を失った。あの夜以来、もちろん一切ミランダとは接触していないので、無論、私がここにいることを知るはずもない。
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