びいどろ玉

6/6
前へ
/20ページ
次へ
すぐ近くの駅に、いくつかのビジネスホテルがあった。 未成年である以上、直で行くと面倒なことになると思い、ネットで部屋を押さえてから向かった。 親には後で怒られよう。 「さの、さの。」 部屋に入った瞬間、まるで子供のように引っついて離れない月島を宥めながらベッドまで運んだ。 「月島、こういう経験は?」 「ない…。何するの?…どうなるの?」 「俺に任せておけば良いよ。そのまま転がってな。」 服を脱がせながらキスを落とせば、月島の強張っていた体が少しずつ解れた。 手を滑らせて、柔らかい肌を堪能をする。 たまにくすぐったそうにする反応が可愛い。 しばらくお互いの熱を交換し合あい、月島が落ち着いてきてから、下に手を伸ばした。 びくりと体が跳ねて、不安そうな顔になる月島をさらに抱きしめてやる。 「痛い?」 「…いたくない。でも、なんか、変なかんじ。」 時間をかけて、たまに声をかけながら指を増やしていけば、その度に息が荒くなっていった。 オメガの性なのか、たとえ初めてでも快感を拾ってしまう体はツラそうだ。 やっと、そろそろ受け入れられるかというところまで来た時、月島はもうぐずぐずの顔をしていた。 「さの、はやく、もうやだ…。」 そんな事を言われてしまえば、我慢なんて出来るはずがない。 欲のままに月島の体に割り入ると、今度はその圧迫感に苦しそうに顔を歪めた。 「月島、ちゃんと息吐いて。」 「まって、くるしっ…。」 「本当?苦しいだけじゃないでしょ。これ気持ちくない?」 少しずつ揺らしてやると、段々と慣れてきたのか、嬌声に変わってきた。 ぎゅっと握ってくる手が愛おしい。 俺自身も次第に余裕がなくなり、快感から逃げようとする月島を腕の中に強く抱き込んだ。 今までも男を抱いたことはあるし、その中にはオメガの子もいたし、月島もその一人に過ぎないはずのに、こんなにも相手が可愛く見えるのは初めてだった。 …やらかしたと思った。 これじゃあ、手放せなくなってしまいそうだ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加