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第5話
2回目のデートで私は目を見張った。彼はなんと高校時代のジャージを着てきたのだ。確かに丈夫な服を着てきてとは言ったが、高校名と実名が入ったジャージで街を歩く?
私は慌てて、彼の住む田舎まで連れて行った。その間彼はずっとスマホのゲームをしている。
「服買おうよ」
「えー、これでいいじゃん」
優希は私の顔も見ず、スマホのゲームに夢中になっている。
私は意を決した。
「やっぱりジャージでデートはやだよ。服買おう」
すると彼の顔がパーっ明るくなる。
「買ってくれるの? 助かるなあ」
私はため息をつくと大型のショッピングセンターに入った。
「これ気に入ったよ! Mでいいな」
いやいやあんたはXLだよ。優希がカゴにいれたMサイズのジャケットをXLに変える。
その後も優希は私が持ってるカゴにポンポン服を投げ入れていく。
カゴいっぱいになった服を、私はよっこらしょと台に載せる。
あれ? 優希がいない。店員は腕を組みながら待っている。1日デート分の現金しかなかった私はクレジットカードを使った。
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