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晃「脳内会議、ずいぶんと久しぶりな気がするな」
瞳「そうね。時間が経つのは早いわ」
凪「瞳ちゃん、その言い方ちょっとオバサンくさい」
瞳「え?!」
悟「凪の冗談だ。気にするな」
純「ひとみちゃんはおばさんじゃないよ」
瞳「純・・・(抱きっ)」
晃「んで、今回はどんな議題になったんだ?」
悟「うむ。では発表しよう。今回は『行ってみたい場所』についてだ」
凪「おー」
純「楽しそう!」
瞳「(ギュー)純はどこがいい?」
晃「おい瞳、そろそろ離してやれ」
瞳「えー」
晃「嫌われるぞ」
瞳「え?!そんなことないわよね?ね?」
純「ぼくは平気だよ」
凪「純も大人だなあ」
悟「そうだな」
瞳「うー。じゃあ離れる。ごめんね純」
純「ううん。大丈夫」
晃「そんじゃ本題を話そうぜ」
悟「そうだな。それじゃあ瞳からにしようか」
瞳「私?まあいいけど。私は韓国、って言いたいけど、好きな所じゃなくて行きたい所だもんね。今ならフランスかしらね」
凪「オシャレな国」
純「ひとみちゃんにピッタリだね」
瞳「ありがとう」
晃「なんでフランスなんだよ」
瞳「まだ行ったことない国だし、ちょうどオリンピックで盛り上がってるじゃない」
悟「ああ、今回は特に新しい試みが多いよな。さすがはフランスというか」
凪「あのマークもオシャレだよね」
瞳「どこかの東京みたいに『レガシー』として新たな施設を造って残すんじゃないのよ。今も残る貴重な場所を生かした会場作りは流石よね」
晃「だな。それにオリンピックはあまり知らない競技も楽しめるから楽しいよな」
純「フェンシングとか、かっこよかったよ」
悟「そうだな。・・・あー、議題と関係なくなってきたから戻そうか。瞳はフランスのどういう所に行きたいんだ?」
瞳「そうね。エッフェル塔とか凱旋門とか見てみたいし、ルーブル美術館とか楽しそうじゃない?」
悟「いいな。ルーブルは私も行ってみたい所だ」
凪「ほうほう」
瞳「あとは料理もいいわよね。本場の味を食してみたいわ」
晃「それでこそ瞳だな」
凪「うんうん」
瞳「失礼ね!」
悟「まあ現地の料理は旅の醍醐味だからな」
純「いろんなの食べたいね」
瞳「純、今度一緒に食べに行きましょうか」
純「うん!」
凪「僕は?」
瞳「失礼な人はダメー」
晃「だっはっは。残念だったな、凪」
凪「失礼の権化が何を言う」
晃「ああ?何か言ったか?」
悟「ほらそこ。喧嘩しない」
凪「むー」
晃「ったく」
悟「でもフランス料理は敷居が高いかもしれないな。行くなら純も最低限のマナーを覚えないと」
純「そうなの?」
瞳「あら、純なら大丈夫よ。周りに迷惑をかけないで美味しく食べればいいのよ」
晃「簡単に言うねえ」
凪「でも真理」
純「みんなで行けたらいいね」
瞳「そうね」
悟「でも瞳、お酒は程々だぞ」
晃「ワイン好きだもんなあ」
瞳「いいじゃない。料理とワインのマリアージュ。あれを味わったら誰だってハマるわよ」
悟「否定はせん。だが己の限界を知って己を律してこそだと思うぞ」
凪「お酒って怖い」
晃「全くだ」
純「ワインっておいしいの?」
瞳「純が大きくなったら一緒に飲みましょうね」
純「うん!」
悟「今回は少しずつ話がズレてるな。それじゃあ次は晃に聞こうか。どこか行きたい所はあるか?」
晃「あー、国って訳じゃねえけど、山の火口からマグマが流れてる様子を見たいな」
凪「いいね!」
晃「映像なら観たことあるけどよ、実際に見て、その場の熱を感じてみたいんだよな」
瞳「自殺願望でもあるの?」
晃「違うわ!」
純「でも怖いよね」
晃「まあな。でもあのドロドロした真っ赤なモノが蠢いている様は惹かれるものがあるんだよ。地球の血液っていうか。ああ、この星も生きてるんだな、ってな。それを実際に見たら、きっと人生観が変わると思うんだよ」
悟「ま、行くなら安全に気を付けろよ」
凪「晃・・・いい奴だった」
晃「勝手に殺すな」
悟「だが確かに生きているうちに見れないだろう物はたくさんあるよな。宇宙や深海とか」
純「あー!ぼく、宇宙に行きたいって言おうと思ってたのに!」
瞳「悟!!」
凪「あーあ、ダメだよ悟兄さん」
悟「すまん、純」
晃「で、純は何で宇宙に行きたいんだ?」
純「この前、宇宙のことをテレビでやってて、おもしろかったから」
凪「あー、あれか」
純「うん。地球の青さを見てみたいなって。あと、宇宙人がいるなら会ってみたいと思ったんだ」
晃「宇宙人か。もしかしたらもう地球にいて、純の知ってる人が実は宇宙人だったりしてな」
瞳「ちょっと!やめてよ」
凪「あの人が実は・・・いいね」
悟「まあ、大きな意味で言えば地球人だって宇宙人の一つかもな」
凪「それじゃつまんないよ、悟兄さん」
瞳「でも、何年かしたら本当に宇宙に行けるようになるかもしれないわね」
純「うん、楽しみ」
晃「当分先だろうし、一般人じゃ大金がないとまず無理だろうけどな」
悟「それでも夢のある話だ。地球に住めなくなって違う星に行く、なんてことにはなってほしくないが」
瞳「温暖化が加速してるしね」
凪「毎日暑い」
純「ねー」
晃「だな。そんで、純の言いたかった言葉を奪った張本人の悟はどこに行きたいんだ?」
悟「ああ、私が行きたい所か。そうだな・・・田舎の田園風景を見に行きたいかな」
瞳「どうしたの?疲れてる?」
凪「珍しい」
悟「ああ、そういう訳じゃない。だが心配してくれてありがとう」
晃「そんじゃ何で田舎なんだよ?」
悟「都会の喧騒から離れて静かな環境に身を置きたいと思ってな。草木の匂いを嗅いで、川のせせらぎを聴いて、星空を眺める。そんな時間もいいかと思っただけだ」
瞳「そう。心労が溜まってるのね」
純「さとる兄さん、元気だして」
悟「いや、だから私は大丈夫だ」
瞳「無理をしてる人ほど大丈夫って言うものよ」
悟「まあいい。それじゃ最後に凪。どこに行きたい?」
凪「家でいいよ」
晃「おいおい」
瞳「行ってみたい、でいいから。ちゃんと言いなさい」
凪「ん-。それじゃ僕も悟兄さんと似てるんだけど、海か山に行きたい」
晃「その心は?」
凪「皆でキャンプしたい」
純「わあ、いいね!」
凪「魚釣りしたり、泳いだり。もちろんご飯はバーベキュー」
晃「そん時は俺が色々教えてやるよ」
瞳「晃ってアウトドア好きだったっけ?」
晃「まあな。キャンプ飯ならまかせな」
凪「夜はテントでシュラフに入って寝てみたい」
純「シュラフって?」
悟「ああ、いわゆる寝袋だな。芋虫みたいになるやつだ」
純「あー、あれ!楽しそうだね」
瞳「そうね。それに朝のコーヒーとかも美味しそうよね」
晃「話してたら行きたくなったな」
悟「・・・よし。場所を探しておくから皆で行くか」
凪「ホント?」
純「わーい!」
晃「そんじゃ場所は悟が探してくれ。俺は道具類を準備しておく」
瞳「今回は話が進むわね。どうしたの?」
悟「以前も出かけたいと話していたのにそのままだったからな。せっかくだ。今年の夏はキャンプで楽しもう」
晃「おおよ。凪と純にアウトドアの楽しさを教えてやる」
純「ありがとー!」
凪「程々にね」
瞳「行くのは決定なのね。日焼け止め、強めのを探さないと」
晃「あー、それならキャンプ用具は俺が準備するから、瞳は生活用品を頼むな」
瞳「何が必要か分かんないわよ?」
悟「その辺はまた話そう。タオルとかの他にも虫よけとか色々あるんだ」
瞳「はあ。了解」
凪「純、僕たちはお菓子担当だね」
純「おー、がんばろー」
晃「とりあえず会議は閉めとこうぜ」
悟「そうだな。皆の意見も出ていたし、そうしよう」
瞳「なんか私だけ外国の名前出しちゃって、違う空気だったかしら」
純「そんなことないよ」
凪「ん。それが普通」
晃「久しぶりに色々話したな」
悟「そうだな。次はキャンプの後になるだろうが、また色々と話し合うとしよう」
瞳「そうね。暑い日が続くし、皆も熱中症にならないようにね」
純「はーい」
凪「家にいるから平気」
晃「少しは外に出ろよ」
悟「今回は皆落ち着いた会話だったな」
瞳「そうね。珍しく誰かさんのツッコミも少なかったし」
凪「だってさ、誰かさん」
晃「あー俺ね。ボケがあんまりなかったんだよ、ダレカサンの」
凪「あんなこと言ってるよ、純」
純「え、ぼく?」
晃「違うわ!」
凪「お後がよろしいようで」
悟「それじゃまたの機会に」
瞳「さすがね。悟のスルースキル」
晃「はいはい。んじゃ、またな」
凪「ばい」
純「ばいばーい」
第7回 閉会
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