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「うわわわわ!!」
靴が地面を擦る。
さほど痛くはないが、恐い。でもこの両手は離せない。ここまできたんだ。何としてでも乗ってやる!
……とは言っても、この状態から列車に昇る力は僕にはなかった。
列車が止まるのを待つしかない。
……いや無茶がある。まさに神頼みだ。
他に助かる方法は……人の助けを待つくらいか。
いやそれも無茶だ。こんな後方の車両だ。人っこ一人いない。
いたとしても鉄道員かもしれない。それはそれでアウトだ。
ああ、もう終わりだ。神なんかいないんだ。また一つ学んだ。
ところがこれ以降、僕は神を信じる事となる。
「おい!大丈夫か!?」
「!」
車両の真上から、カウボーイハットを被った若い男が顔を出した。
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