第1章「始まりの汽笛」

3/5
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
 もうすぐ機関車が来る。ここを横切る。 僕はハッとし、勢いよく起き上がった。 ついでに小鳥を捕まえようとしたけど、逃げられた。  僕はこれから、その列車に飛び乗らなければならない。そこそこのスピードで先を急ぐ、その列車に……。 停車中に乗り込めれば最高なんだけど、駅には切符を持つボンボンや、貨物を運ぶ鉄道員達がわんさかいるはず。 切符は買えない。無賃乗車しなきゃ話にならない。 なにせ僕はホーボーだから。 いや、今日からホーボーになるから……。 とにかくこれは、ホーボーになるための第一歩。 明日のために。夢のために……。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!