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汗がすごい。疲れたというのもあるけど、大半は焦りによるものだ。
とても気楽ではいられず、焦りがミスを生む。
何度も手すりに手を伸ばすも、まったく掴めない。滑るのだ。
列車は逃げるように僕を見離そうとしていた。
「うっ……くっ……」
僕は半べそをかいていた。
でも立ち止まれない。諦めちゃ駄目だ。
僕は後方を確認した。
まずい。最後尾の車両がすぐそこまで来ている。早く乗らないと……チャンスは残り少ない!
服で手の汗を拭った。
ほぼ我武者羅に、両手を思い切り伸ばした。
「うああああッ!!!」
思えばあれが、渾身の力というものだったのだと思う。
僕は手すりを掴んだ! しっかりと! この手中に!!
そして流れるように滑った。
足が地に着き、弾かれる。
僕はそのまま、列車に引きずられ始めた。
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