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エピローグ
~17世紀 フランス~
ここは王宮の一室。人目を忍びコソコソと話をする二人の人物がいた。
一人は若かりし頃、イケメンであったであろう王様、そしてもう一人は若い頃はさぞ可愛かったであろう付き人の老婆である。
「ところで…計画通り
例の靴は無事に届けられたのか?」
「はい確かに。あのウーバァミートと名乗る若者の手によって無事に。」
「そうか…そうか… う…うっ… 」
「王様?泣いてらっしゃるんですか?」
「う…う…うっ…うぉっしゃー!!
でかしたぞ、婆ぁや!お疲れっした。
あー、長かったー。これでめでたし、めでっ…たぁ…イタイ!なんでぶつのさ!?
…ってそれは…何な…の…?」
「何なのって?見ての通りナンですがナニか?」
「イヤイヤイヤ、ナンでぶつっておかしくない?」
「ナンで良かったと思ってくださいよ、ホントならムチでぶつところでした。」
「なんでよぉー?」
「あぁぁぁ!もう、ナンはどうでもいい!!
そもそも、王様があの舞踏会の後、シンデレラが靴を片方落とした事に気付かず不貞腐れて朝まで呑んだくれ、挙げ句のはてに、他の国の姫と結婚してしまった事が原因でこうなったんでしょうがぁぁぁぁー!!!!」
「だってさぁ、あんな猛ダッシュで帰られたらボク、嫌われたのかなぁって思ってぇ。」
「お陰で物語はめちゃくちゃになったんです。シンデレラストーリーという言葉も生まれなかったんですよ!」
「分かった、悪かったよ。
だけど、これでやっと完結したんでしょ?だって、ボクの未来人が彼女にアレを届けてくれてんだからさ。」
~202〇年 ニホン~
ピンポーン
「こんにちわー。ウーバーイーツでーす。新出 玲来さんに靴のお届け物でーす。」
─ おしまい─
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