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*《流されやすい》
「俺、昔から拓真のことが好きだったんだ。父親は違うけれど兄弟だし、しかも拓真は俺に眼中なかったし、さ」
「えっ、あっ、ちょっ……!」
二つの怒張した局部の片方は白濁液を放った。拓真のだ。だがもう一方の玲央自身は怒張したままだったので拓真は滑るように自身が放った白濁液を潤滑油として塗り込み根元を擦りつける。
玲央の吐息が漏れる。
「だから、俺、決めたんだ。良い男になって、拓真を守れるような男になるって……。エッチな拓真とずっと一緒に居たい……から」
玲央の声が漏れ出て「イキそう……」などと余裕のない言葉を紡いでいけば拓真はどうしてだが愛らしさを感じ「イって?」またもや口に含んでご奉仕をする。
淫靡な音を立ててだらだらと流れる卑猥な液と、自身の涎を含ませて、バキュームのように吸い込んだ。
玲央が震える。
「で、出るっ!!」
「いいよ……出して?」
溢れ出た白濁液はすべて飲み干すことはできなかったが、零してしまったものは舐め上げて玲央にキスをした。
キスをされた玲央は驚いた顔を見せたかふと笑う。
「やっぱりへたくそ。歯が当たってる」
「う、うるさいっ。フェラされているだけ感謝しろよな!」
ドロリとして濃厚な液体を舐め上げてもう一度キスをすれば、今度は玲央の方から仕掛けてきた。舌同士を絡ませて淫らな液を交換し味わうようなキスに拓真は蕩けそうになる。
腰が疼いてしまってもう一度したくもなってしまうが、もう体力的に限界だ。
「あふぅ……。玲央、休憩。俺、つ、疲れた……」
「ありゃ、もう終わりなんだ。結構淡白なんだね、エッチで変態なくせに」
「うっさい」
「ふふふっ」
時刻は夜の1時を回った頃であろう。ベッドに横になり、休憩をする拓真に玲央はぺたぺたと身体を触れてきた。
どうしたのかと思い尋ねてみれば「拓真が流されて俺と付き合うのかなって思ってさ」少し心配をしている様子の玲央が居た。
今度は拓真の方がため息を吐きたくなった。
「確かに俺は流されやすいけど、さすがに実の弟に手を出すなんて夢にも思わなかったんだけど?」
「でも結論的には流されていたじゃん。今も俺が押しかけて来なかったら一人エッチしていたでしょ」
「うぅっ……」
ぐぅの音も出ない拓真に確かに自分の行為を顧みた。よくよく考えてみれば、自分が街コンに行くときも合コンに行くときも、その前か後にエッチのようなものをしたのだ。これをなんという。そう、流されやすい――変態だ。
拓真は頭を掻いた。
「まぁ、俺もそうだけどさ。お前も彼女と早く別れろよ。そしたら考えてやらんでもない!」
「なにその上から目線……、でもいいか。俺が最初に惚れたのがいけないからね」
かっこいいセリフでベッドに腰掛ける玲央に拓真は赤面をして――ベッドに項垂れた。
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