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あ、天井にもアイドル?目の前にもアイドル?
……ってか、俺も俺でこんなにロマンチストなのかな? だって聖修さんにお姫様抱っこされているのに抵抗してねぇんだもん。 要は聖修さんにされるがままってやつだ。 まぁ、でも俺も聖修さんの事が好きだから抵抗はしないっていうのもあるんだろうけどさ。
気付くと俺は聖修さんに本当にベッドの上まで連れてかれていた。
……そう、がっつりと俺の家の天井が見えるのだから。 天井も聖修、俺の目の前にも聖修……本当に夢見たいな事が今現実に起きてるんだよなぁ。
体がこう抵抗しないってことは俺は聖修さんで本当にいいのかもしれない。 それに、ちゃんと順番通りにことは進んでるし……。 告白、キスってね。
いや聖修さんなら、いいやって感じなのかな? だって、いつも見ているだけの存在だった人が、昨日、隣に引っ越してきて話もするようになって、部屋にも来て……もう俺からしてみたら何も言うことはない。 っていうところだ。
俺は軽く息を吐く。
すると聖修さんが俺の顔を覗き込んで来て、
「大丈夫?」
と優しく声を掛けてきてくれた。
何だか、その優しい声と、いつものように少し高い声だけでも、俺は本当に聖修さんにやられそうだった。 やられるって言っても殺されるとか、そう言う意味じゃなくて……うん……もう体もなにもかも聖修さんのせいで、とろけてしまいそうだという意味でだ。
「……大丈夫だからさ」
少し間を空けて一応そう答えておく。
もう聖修さんに体を預けよう。 そうした方が楽になれそうなのだから。 そうだ今からスることは、気持ちが良くなることだって分かってるんだから、聖修に体を任せておいた方がいいのかもしれない。
「ねぇ、先に言っておくけど……私はこういうことは初めてなんだよね。 痛くしてしまったら、ゴメンね」
「……は、はい!?」
……ここまで俺のことを連れて来て、「やったことがない」だって!! おいおいちょっと待てよ……違う意味で聖修さんに体を任せること出来ないじゃん。
「だって、私はこういう仕事をしてから、本当に彼女とか恋人とかって出来たことがないからね……。 寧ろ、作れなかったっていうのが正しいかな? そうファンの子達を悲しませることは出来なかったからさ……。 それに、いつも仕事でそんな暇がなかったからね。 それで本当に一人でしかヤった事ないし……まぁ、私も一応男性なのだから誰かをって……私の場合のは君の事を想像しながら一人でシていたっていうのかな? でも、それはあくまで想像の世界であって実際には女性経験も無いし、もちろん、男性経験だってないしね。 だから、本当の事言うと、君のことを気持ち良くさせられる自信はないよ」
「あ……」
そういうことか……。 そう納得する俺。 だって聖修さんの言う通りだ。 確かに聖修さんのアイドルグループは俺と同じ位の世代で、もう十年位前から活動している。 確かにアイドルって恋愛スキャンダルとかってご法度のような気もする。 ご法度っていうよりかは今聖修が言っていた通りにファンの女性達を悲しませる事になるんだろうからね。 女性ってファンの人に恋人が出来たり、結婚とかしてしまうと、ファンを辞めちゃう人とかっていうのもいる位だしね。 でも、もし僕の立場で聖修に他に恋人が出来てしまった時には、特にヘコまなさそうだけど……。 まぁ、そこは普通な所なのか……今が寧ろ夢みたいな事が起きているんだもんなぁ。
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