僕の隣に住む住人は憧れのアイドルだった！

あー！興奮して眠れない！

　そして今日も一人でお風呂から上がると、ベッドへと体を預けるのだけど今日の俺は体を休ませようとはしなかった。

　そう隣りに俺の憧れアイドルの聖修がいるからだ。

　部屋内には聖修のポスター、隣りには今本物の聖修が住んでいる。

　そう考えるだけで俺の頭というのは完全に冴えてしまっていた。

　顔を横にすると窓の向こうには景色が見える。　カーテンは開けている事が多いから都会の景色が見える所だ。　それにここはビルの十階で周りの目とかを気にしなくても大丈夫な階だから、俺はカーテンを開けっ放しにしている事が多い。　確かに朝方は太陽の光りで眩しい時もあるのだけど、夜は夜景を楽しむにはカーテンを開けておいている。

　このマンションがあるのは都会の中だ。

　都会という所は夜になっても階下は電気という電気は消える事はない。

　今も何処かで人々は働いているからだろう。

　コンビニ、夜中にしか出来ない工事の仕事、ホスト、それぞれの職種の人々が夜中になっても働いているのだから、都会という所は明かりが消えることがない。

　都会の明かりには慣れている筈なのに、本当に今日の俺は眠れない気がして仕方がない。

　寝返りを打ってみても仰向けになってみても、うつ伏せになってみても一人で行為をシてみたのに、それだって全然疲れている様子がない俺の体。

　いや今は体ではないのかもしれない。　そう精神的に頭が冴えてしまっているのだから眠気が襲って来ないという事だ。　体力的には仕事で動いている訳だし、さっき一応自分でシたのだから疲れている筈なのに、全く今日の俺というのは睡魔さえも襲って来ない状態だった。

「はぁー……」

　そう今日何回目かの溜め息。

　さっき初めて会った、いや目の前にした聖修。　いや、正確にはプライベートでは初めて会った聖修。

　ポスターの聖修は確かにカッコいいのだけど、目の前にした聖修はもっとカッコ良かった。

　いつもの聖修っていうのは、ファンのみんなにっていう風に声を掛けているのだけど、今日は本当に俺だけという感じの日でもあったし、だから余計に興奮状態の俺。

　そしてアイドルなのだから声は高くて色っぽい。

　そう考えるだけで余計に眠れないような気がする。

　寝なきゃならない俺と寝させてくれない俺。

「うー！　くっそー！！」

　今日あった出来事が自分にとって本当に衝撃過ぎる事だったようだ。