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ラングス伯爵家で雇われて二週間。マーガレットお嬢様の侍女に抜擢されて三日目の朝、ミアは絶望の淵にいた。
実家である子爵家を十六歳で追い出され、あちこちのお邸を渡り歩いて雑用をすること五年。客として訪れたラングス伯爵に拾っていただいて得た定職。ここを追い出されると路頭に迷ってしまいかねない。
「お嬢様。やはりカーター様に頼んだほう」
「おくりものは、じぶんでわたしてこそ、きもちがつたわるのよ」
「しかしながらおひとりで王宮に出かけるのはさすがに無理があるかと」
「だからミアにおねがいしているのよ。わたしといっしょに、おじさまにもっていってあげましょう!」
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