80人が本棚に入れています
本棚に追加
見ていた雑誌はそのままにテーブルに目をやり着信相手の名前を確認すると、それは智也からだった。
『来週のひーちゃんの誕生日、もう予定入ってる?(よね、きっと。)でも、もしまだ予定が無ければ、その日僕にお祝いさせて?』
日和は智也が日和の誕生日を覚えていてくれたことに舞い上がるほど嬉しくなり、すぐに返事を返した。
『予定なんて何もないよ。誕生日覚えててくれたんだ。嬉しい。』
すぐに既読になったかと思ったら、スマホが智也からの通話着信を知らせぶるぶると振動した。
「もしもし、智くん?」
『よかった〜。ひーちゃん誕生日当日空いてるんだ。本当はさ、もっと早く聞きたかったんだけど、来週、本社に行くかもしれなかったから。今さっきやっとわかって、すぐに連絡したんだ。時間と場所はまた後でね。あっ、今回はお祝いだから割り勘とか絶対無しだから。あー、マジよかった〜。』
智也がすごく嬉しそうに告げるので電話のこちら側で日和まで笑顔になる。
「うん、ありがとう。文句言わずに奢られます。」
最初のコメントを投稿しよう!