お届け彼女

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 ついさっきまで一緒にいたのに、もうすでに会いたくてたまらない。  付き合い始めて一ヶ月、先輩への愛はさらにぐんぐん大きくなって、大好きが止まらない。  先輩は明日部活ある日だし、私は親友の琴音(ことね)の買い物に付き合うことになっている。だから、さっき駅で別れる時も「明日は会えないね」って、話していたんだった。  琴音と久々に買い物に行くのは楽しみだけど、やっぱり先輩に会えないのは寂しくて、しょんぼりしちゃう……  そんな風に思っていたら、スマホがピロリンと鳴った。  "俺の英語のノート、羽那のところにお邪魔してない?"  スマホ画面を開くと、先輩からのメッセージだった。  先輩もノートのことに気がついたんだ。  "先輩のノート、こちらに遊びに来ていました! なくて困りませんか? さすがに今からは届けられないので、明日、お届けします! 必要なら、今、写真撮って送ります"  私が直ぐに返信すると、先輩もまた間を置かずに返信をくれた。  "いや、明日で大丈夫! 羽那のところにあって良かった"  明日は二時間目が英語だから、それまでに手元にあれば大丈夫とのこと。    よし、明日はこのノートを届けに行くっていう口実で先輩に会いに行っちゃおう!    そんなことを考えると、今から緊張し始めてまた高速足踏みをする。  すると「羽那、ドタバタうるさい!」と、階下からママの喝が飛んだ。だから私はベッドにダイブして、ゴロゴロと左右に体を転がした。  あぁ、早く会いたいな〜……
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