サプライズ

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「青空公園」 「へ?」 「青空公園向かって」  兄がハンドルを切り、この近くだと割と大きめの公園に向かう。 「あいつ、青空公園って言ってた?俺、よく聞こえなかったけど」 「言ってないよ。公園としか」    トシはスマホの画面を操作しながら言う。 「え?じゃあなんでわかんだよ。公園なんていくらでもあるだろ」 「言ってはいないけど、トークでメッセージ来てる」  兄は頭をかく。 「ごめん。言っている意味まったくわからんのだが」 「とにかく向かって。着いてから、余力あれば説明する」  青空公園に着くと、もうあたりは真っ暗で、街灯が明かりを灯していた。 「けっこう広いけど、どのへんだ」  車から降りると、兄は無造作に足を進めようとする。 「こっち」 「へ?」 「はやく」  トシが言うと、兄は腑に落ちないような顔でトシのあとをついてくる。 「なぁ」  うしろから兄が話しかける。 「なに」 「こっちってなんでわかんの」 「あぁ、あいつのスマホにGPSつけてるから」  兄は「ふーん」と言ったきり、黙ってついてくる。  たまにすごく心配になる。  単純で優しいところは兄のいいところではあるが、普通は友達のスマホにGPSなんてつけてたら引くんじゃないのか。  なにも疑わず、トシを信じ切っている兄だからこそ、今ついてきてもらっているのだが。  しばらく歩くと、兄が突然「あっ」と声をあげる。  トシは振り向き、「え、なに」と眉をひそめる。  まさか、バレた? 「いや、スマホ車に忘れてきちゃった」
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