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「ガイシャの身元は?」 「警部、お疲れ様です」 「おべっかはよせ 聞かれた事に答えればいい」 「田町京太郎、34歳 仕事は都内の不動産屋で働く会社員です」 「また絞殺か?」 「いえ 今回のガイシャは刺殺です。ホシはガイシャに相当な恨みを持っていたのでしょうね。腹部から胸部にかけて約30箇所めった刺しです」 「凶器は見つかったのか」 「ガイシャの胸に刺さったままでした。指紋はありません」 「つまり計画的犯行ってやつか」 「でしょうね」 「ガイシャの交友関係は?」 「派手だったようです」 部下の三田はいい、ガイシャのスマホを警部に見せた。 写真ホルダーには派手な交友関係を物語るパーティーやワイングラス片手に複数の女性をはべらせた写真ばかりだった。 「不動産業ってのはそんな儲かるものなんですかね」 「知るか」 警部が吐き捨てると同時にとある男が入って来た。 泡沢三四郎(あわさわ さんしろう)刑事課に配属されて2年目のまだまだ新米の刑事だ。 「遅れてすいません」 「早速やってくれ」 警部が泡沢に指示した。 泡沢刑事は返事を返すと室内をゆっくりと丁寧に、注意深く歩き回った。 数分も経たない内に泡沢が言った 「警部、このクローゼットの引き出しの中にホシに繋がる証拠が入っている筈です」 「ビンビンか?」 「はい。そりゃもうってくらいビンビンです」 警部は三田に向き直り顎で指図した。 クローゼットを開けろって事なのだろう。 三田は渋々、引き出しを開けた。中にはワイシャツ系の衣類しか入っていなかった。 「これがホシに繋がるのか?」 警部が泡沢に尋ねると泡沢は手を股間に添えた。 「違います。ワイシャツではありません。恐らくその下に何か隠されている筈です」 三田がワイシャツを取り出すとその下には大量のAVのDVDが隠されていた。半分近くは同じ女優で残りは人妻系や素人が大半をしめていた。 「こいつがホシか?」 泡沢は再び股間に手を添えた。 「違うようです」 「おい。泡沢」 「はい」 「事件の知らせを聞いてここに来たって事は、当然、それまでの間で、ヌイて来たのだろうな?」 「…すいません。急いで向かわないと…思いまして…」 「馬鹿野郎! そんなんじゃホシに逃げられるだろうが!」 警部はガイシャの趣味のAVを掴むと泡沢に放り投げた。 「すぐシコってこいっ!」 「わかりました!」 泡沢はいい血塗れのガイシャの側に腰を下ろし大きなテレビの前で胡座をかいた。ガイシャが好んでいた女優のDVDをセットした。 柔らかな音楽が殺人現場に響き渡る。 泡沢三四郎。24歳。通称 勃起刑事(ボッキデカ) 泡沢が勃起する時、必ずホシに繋がる証拠を発見する。 が、今日はミスをしてしまった。泡沢は反省の意味も込めテレビ画面にしがみつくようにしながらチャックに手をかけた。既に勃起しているチンポを下着から引っ張りだし、女優がディープキスをされ胸を揉まれ始めた場面に泡沢は釘付けになった。更に喘ぎ声が大きくなるにつれ泡沢は画面に集中しチンポをシコり始めたのだった…
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