剣聖の称号と聖剣の真実

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 しばしの間、無言のまま鎮魂の儀を終えた後…… 「で、その剣が例の[聖剣]なの?」  と、ハミルがホゥクンの手にしている剣をしげしげと眺める。 「良い剣とは思うが、[邪霊を倒すことが出来る]剣と云うには地味だのぅ」  と、ボルドも側に寄る。 「見た目は地味ですが、刃の造りは銘品のようですね……  ただ、魔力の類は全く感じませんが……」  と、魔術感知の術を掛けたらしいリーヴェンが杖を剣に近づけながら言う。  そしてアイラも、 「大体、あの木乃伊(ミイラ)の剣聖と外の白コートの男が同じ魂の転生なんて思えないよ……」  そんな仲間たちの声を聞いたホゥクンに至っては…… 「そういえば、それをすっかり忘れていた」  と、皆を呆れさせる始末である。  挙句、 「聖剣ねぇ……どれどれ?」  と、剣聖ロウガまでのぞき込む有様だ。
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