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「……幻術の錫!?」
何かを思い出したハミルが背嚢からディリーアドベンチャー紙を取り出す。
「確か、[魔女技師工房攻略]の記事に隠れて目立たなかったけど……」
ハミルが全員に向けて広げて見せた新聞、その三面記事にあったもの、それは……
「町はずれの塔に住む魔導士が、訪ねてきた別の魔術師に騙し取られたという魔道具……〈幻術の錫〉と言う名前であると、新聞にはありましたねぇ……」
「[奪還の報奨金、値上げされる]か……もともと大した額でもなかったのがちぃとばかり上がったところで……
と、思って気にも留めなかったのだがなぁ……」
記事を読み、呆れるボルド。
「と、言う事は、邪霊マガツマはあの杖が作った幻、と言う事ですねぇ……
なら、マガツマとともに現れた小型の邪霊も……?」
「あれは多分、魔甲剣士の手下ね……数も合っているし、私たちが邪霊の戦いに見とれている間に黒い布を脱ぎ捨てたのよ、多分……」
それぞれに状況を推察するリーヴェンとアイラ。
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