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「さぁ、残るはあなただけです……まだ戦いますか!?」
珍しく声を荒げるリーヴェン。それを挑発と捉えたのか、
「おのれ……野蛮な未開人の分際で……!?」
偏見を込めた侮蔑の眼を向けつつ、最早役に立たない幻術の錫をその場に捨てたイトゥワルーが印を組み、何やら呪文を唱え始める。
「あいつ、杖も無しに魔術を使うのか!?」
「多分、指輪か何かを魔術媒体にしているのでしょう……今度は幻覚じゃない呪文攻撃が来ますよ!!」
驚くボルドに忠告しつつ、自身も身構えるリーヴェン……
そんな二人を嘲笑うイトゥワルー……
「無駄だ……私のもてる最大級の魔術で滅ぼしてくれるわ!!」
既に彼の両腕の間には稲妻を帯びた火球が形成されつつあった。
「[万物に宿りし魔力よ……その身を炎と化し、天空の雷を纏いて輪が敵を撃ち滅ぼ]……」
しかし、その呪文は打ち切られた。
正確には……
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