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――声が出ない!?
そう、イトゥワルーの[声]が封じられたのだ。
――馬鹿な、私の身に魔術が掛けられた感覚はなかったぞ!
自身に掛けられた魔術であれば精神力や内包魔力に依る抵抗が可能なはずであるのだが……
――そうか! この[場所]自体に魔術を仕掛けたのか!
そう、自身の声が消えたのでなく、周囲全てから[音]そのものが消えていたのだ。
気付いた時には手遅れ……
「[神は大地に告げた……汝、しばし沈黙せよ]……
準備、詠唱に時間が掛かる御業だけど、丁度良いタイミングで効果が出た様ね」
それは、ハミルによる神聖魔術であった。
「音を消す御業をあの魔術師の立つ[場所]に掛けたから、取り囲んで逃がさないようにして!」
「さすが、ハミルです……」
「任せておけ!」
指示を受けたリーヴェンとボルド、そしてハミル自身が三方からイトゥワルーを取り囲む。
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