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一方、ホゥクンと魔甲剣士の戦いも佳境となっていた……
互いに睨み合いを続けていた両者であったが……
やがて、[焦らし]に耐えられなくなった魔甲剣士が動いた。
一気にケリを付けようと思ったのか、右の八相の構えで一気に駆けだしたのだ。
それを見たホゥクン、「今だ!」と小さく叫び、振り下ろされた魔甲剣士の剣――それを構える右の腕を自身の左腕で受ける。
「…………!?」
意図に気付いた魔甲剣士だが、対応する間もなくいつの間にか剣を手放していたホゥクンの右手に腕を掴まれ、気が付くと全身が地面に転がされていた……
「……相手の力を利用した東方の武術を見よう見まねてやってみたが、案外うまくできるものだな」
地面に落ちる前に右足で蹴り上げた剣を再び構えるホゥクン。
魔甲剣士もすぐに立ち上がるものの、武器を構え直す間もなく……
「……むん!!」
唸るような掛け声とともに振り下ろされたバスタードソード……
ホゥクンの剣は、その獅子の面を持つ兜を狙い違わず真っ二つに斬り裂いた。
そして、その下に隠れていた[顔]は……
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