踊り場で踊れない

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「あぁ、東大はともかく。女子大生、なりたかったなぁ......」 あたしは窓の上から更に上をみつめた。 もう踊り場で踊れないみたいな? 色々と終わった感がある。 だから。 木の枝が見える窓の向こうの、ずっと先の空さえ遠く思えた。 「なれるよ、受験して合格したら」 真乃くんが階段の真ん中あたりまで下りて来た。 「できるわけないでしょ、あたし殺人犯だよ?」 「させねーよ、そんなもん、美央さんの命は引き戻した」 「はあ?」 「俺が、引き戻して身体に押し込んだ。そろそろ目を覚ます」 彼が言うと同時に制服のスカートに入れてる携帯が鳴った。
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