ワンマン!

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「あぁ、やっぱり?僕もわかった」 「えーっ!自分だけわかったみたいな?名探偵になり損ねたっ!」 「そこ張り合ってる場合じゃないよ」 「まあ、そうだな。というわけで、菜の花ちゃんにも説明して、 改めて話し合おう」 「了解」 「よし寝る!中野くん、泊ってく?ロフトのほうで寝れるよ?」 「あはははっ!布団とか用意しなくていいもんね、気軽だよね。 あっ、自分で言ってて情けなくなった」 「笑っていいのか笑ったほうがいいのか微妙」 「どっちでもいいよ。とりあえず幽霊は寝るとかは、 あんまりやらないから、あちこち関連する人物たちの同行を 追ってみる。そんで、菜の花ちゃんと会う日になったら ラインしてよ。僕も行くから」 「え?ライン」 「うん、ほら」 僕はスマホを差し出した。 「は?幽霊が電話代を払ってんの?もしくは家族?」 「違うよ、本体は家族が解約したうえで、形見として、 実家の仏壇にある。これはね、ホンモノを実体化させてるんだ。 だから電話料金を踏み倒してるわけじゃないよ」 「中野っち、なんでも有りだなあ......。 俺は俺でバイトも授業もあるし、マジ助かるし、頼もしい。 よろしくお願いしますっ!」 「あ、はい。え?中野っち?」 「なんとなくで中野っち」 「なんていうか、君は君で頼もしいよ」 「そりゃどうも。とにかく頑張ろう! キミキヨさんのために、キミキヨさんの推したちのために!」 「推し同士、お互い頑張ろう!」 幽霊の僕では真乃くんに触れられないので。 互いでグーをつくってぶつけ合う仕草をしてみた。
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