……ええ、しかたがないのです。

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……ええ、しかたがないのです。

「おっと、ここは止まれです」  それから、数分後。  いさんで家を飛び出し走っていたわたしの足が、不意にピタリと止まります。そんなわたしの前には、たくさんの白い模様――そして、顔を上げると赤い光が目に入ります。これが止まれの合図だということは、もちろんゆうしゅうなわたしは分かっています。  少し待っていると、やがて赤が緑に変わりました。ですが、油断はたいてきです。右、左、右、左、左、左、右、左、右、左――よし、問題なしです。  その後も、しっかりにゅうねんに周りを確認しながら歩いていると、少し遠くに何やら駅らしきものが見えてきます。駅の名前は……うん、お母さんが言っていたのと同じ。きっと、あれで間違いないでしょう。そういうわけで、少しかけ足で向か―― 「…………おや?」  
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