仏の顔も三度まで

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「仏様、魂2Y79EA94251Cが戻りました」 「魂2Y79EA94251Cの試技はこれで何回目だ」 仏様は帳面を取り出し調べる。ずらりと並んだ名簿の横に枠が三つ並んでいる。魂2Y79EA94251Cの横の枠は全て空白だ。 「魂2Y79EA94251Cは初めての試技だったか。それで87とは上出来だ。次も期待できそうだな」 仏様はそう言いながら小さな箱の中に魂2Y79EA94251Cを入れた。それを側近に渡す。 「リセットを頼む。次の試技も頑張ってくれるといいな」 「そうですね」 側近が言いながらその箱を受け取る。 受け取った箱をそのまま運び、流れるレーンの上に乗せた。レーンが進むと大きなケースを通る。それを抜けると巨大な滑り台のようなものに行き着く。 仏様は2Y79EA94251Cの一番左端の欄に‪87と書き込んだ。 「仏様、魂77XGS6092MB1V9B66Xが戻りました」 「魂77XGS6092MB1V9B66Xは確かこれで三回目だったはず……」 仏様は帳面を開く。 魂77XGS6092MB1V9B66Xの欄の横に69と77と書かれていた。 「今回の試技が91か。頑張ってくれたな」 「そうですね。削除でよろしいですか?」 側近は尋ねる。 仏様は頷くと、小さな箱に魂77XGS6092MB1V9B66Xを入れた。入れられた魂77XGS6092MB1V9B66Xは大人しく箱に収まった。 「仏様、魂70DWW2112FF0Wが戻りました」 「魂70DWW2112FF0Wだと。こやつは今回もやらかしやがったからな。34とは何事だ」 魂70DWW2112FF0Wと言われた塊は仏様の手の中で少し暴れた。 「魂70DWW2112FF0Wは今回で二回目です」 側近の言葉に仏様は帳面を開く。側近の言う通り魂70DWW2112FF0Wの横には22と書かれていた。 「こやつめチャンスはあと一回だ。次こそ期待しているぞ」 暴れている魂70DWW2112FF0Wを仏様は小さな箱に入れた。ガタガタと音がする。中で暴れているようだ。そのままレーンに流された。 仏様は70DWW2112FF0Wの真ん中の欄に34と書き込んだ。
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