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「月奈はテニスのセンスあると思うよ!
月奈が本気出したら、私はかなわないと思っているよ!」
私が率直に自分の思っていることを伝えると月奈が、
「そんなことないよ!
お姉ちゃんにはかなわないよ!」
と笑顔で話していた。
月奈はいつも笑顔で明るい女の子だ。
そんな月奈に、私は癒されていた。
左側通行で歩道を歩いていた月奈と私は、信号が赤で立ち止まった。
そして青になると月奈が歩き始めて、私も月奈に続いて横断歩道を渡りはじめた。
そんなとき右側後ろから車のエンジン音が聞こえて、私が右後ろを振り向くと車が左折しながら減速せずに月奈と私に近づいているように感じた。
私がとっさに月奈の体を前に突き飛ばすと、月奈は前に数歩進んで前のめりに転んだようだった。
そんな月奈の姿が私の目に入ったかと思ったら、私は右側から左折してきた車に跳ね飛ばされたようだった。
どうなったか分からなかったけれど、私はアスファルトの上に叩きつけられて、仰向きに倒れているようだった。
夕暮れの空が私の目に入ってきたけれど、そのまま目を閉じた私は、その後の記憶がない。
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