1人が本棚に入れています
本棚に追加
どのくらい時間が経ったのか分からないけれど、私が目を覚ますと周りは何もない薄暗い世界だった。
耳を澄ますと川が流れるような音が聞こえてきて、仰向きに倒れていた私が上半身を起こすと、遠くの方に光の点があることに気が付いた。
私は立ち上がってその光を見つめていると、その光は少しずつ大きくなって、私に近づいてきているようだった。
そしてぼーっとした光の中から女性の姿が現れて、その女性は私の目の前で立ち止まった。
「私は死者の案内人です。
貴方は文奈さん17歳でお間違いありませんか?」
案内人の女性から質問された私が思わず、
「はい」
と答えると、案内人の女性が、
「文奈さんは交通事故でお亡くなりになられました。
ここは『この世』で、7日間ここに滞在後、三途の川を渡し船で渡って『あの世』にご案内いたします。」
と教えてくれた。
さらに案内人の女性が、
「『この世』に滞在する7日間、文奈さんがお会いしたい人の近くにご案内いたします。」
と言ったので私は、
「妹の月奈の近くにいたいです。」
と答えた。
最初のコメントを投稿しよう!