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Ⅰ 星間橋(インターステラブリッジ)
人間売買の商売を始めてから一番大きな仕事が舞い込んできた。地球から遥か遠く離れた【ングエウ】という星のお偉方から直々に依頼があったのだ。
何やら大規模で革新的な事業の為に大量の労働力が必要とのこと。報酬もその事業の為の予算から捻出されるとのことで、かなり魅力的であった。
すぐさま依頼主の元へと向かった。
堕天使とは言え遠くの星へ瞬間的に行くことなど造作も無いこと。目的地である【ングエウ】に到着した。
パッと見た感じ、地球よりは一回り小さく見えるが、瑠璃色の大地と琥珀色の海が特徴的な美しい星であった(海と陸の比率は恐らく地球と大差ないと思われる)。
タウミエルが降り立つと、そこに住む住人たちが総出で出迎えてくれた。
星の住人たちの外見は人型であること以外は地上人と異なっており、青白い肌に琥珀色の丸くて大きな目、ヤギのような後ろへ反り返った角が頭部、もしくは耳から生えていた。
この星の名が【ングエウ】と言うのであれば、彼らを【ングエウ星人】と呼ぶのが自然な流れであるが、どうも彼らにはその呼称は一般的ではないらしく、自らを【キュゴー】と称している。
これは彼らの言葉で【知恵を持つ者】という意味らしいが、ここでは都合上、【ングエウ星人】という名称を用いる。
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