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「こら、あやめ。あまりコイツに近寄らない方がいい。恰好といい、怪しいヤツだからな。意味の解らないことばかり申しておるし」
うわー。とことんオレって信用されてない感じなのか。凹むわ…。
「で?オレをここに連れて来てくれたってことは助けてくれるんですよね?」
不安しかないため、オレは疾風に念を押すように尋ねる。
「まずは頭領に面通してもらう」
「面通し?なにそれ?」
「いいからこっちに来い!」
半ば強引に引っ張るようにオレは茅葺屋根の一番大きな屋敷の前まで連れて行かれた。
「重蔵様はおるかー?」
縁側から疾風は大声を張り上げる。
「大声を出さずとも聞こえておるわ。何事か?」
屋敷の奥の方から、50歳くらいの男性が出て来た。着物にもんぺのような姿だ。まるでタイムスリップしたような、もしくは悪い言い方をしたらド田舎というべきか。
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