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第二章 やっと気が付いた!
土間のある台所のようなところに連れて来られて、オレは疾風の監視付きであやめさんの作る夕食を食べさせてもらうことになった。
「さぁ、出来上がったぞ」
あやめさんは土間すぐそばにある小上がりに膳を音がするほどダイナミックに置いた。頬など煤で汚れているけど、あやめさんは幼さが残る可愛い子だった。幾つぐらいだろうか?15-6歳ぐらい?
膳に乗せられたものは真っ白な塩むすびが二つ、沢庵が数切れ、汁物らしきものと焼き魚だった。
「食べていいの?」
「ああ、食べていいぞ!」
あやめさんは無邪気な笑顔を見せた。唯一今まで出会ったこの里の人間の中で親切なひとかもしれない。
「いただきます!!」
手を合わせ、オレは塩むすびにかぶりついた。ちょっと薄味な気がしたけれど、でも空腹だったせいで美味い。
むしゃむしゃと食べるオレのそばであやめさんはじっとその様子を見ながら尋ねてくる。
「美味いか?」
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