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 えっ?  息を呑んだ。配達はコンシェルジュが確認して1階のロッカーに入れることになっている。ここまで来るなんてあり得ない。  背筋に冷たい汗が流れた。  コンコン……。  またしてもノックの音――。  モニターを見た。玄関前には誰もいない。  サバイバルナイフを手にする。そんな彼の耳元で……。  「お届け物です。お受け取りください」  な、なにっ!?  慌てて振り返ると、そこには拳くらいの炎が浮かんでいた。  な、なんだよこれ?  慌てて後じさる。  しかし、その炎はゆらゆらと揺れながら追ってくる。大きくなり、次第に色が黒くなり、そして……。  「ぎゃあぁぁっ!」  あっという間に黒い炎に呑み込まれる原北。  数分後、豪華なマンションの一室には黒く燃え尽きた死体が転がった。
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