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「まだわからん。ただ、同じような焼死事件が、実は管轄内であと2件あったんだ。それも、つい最近。どちらも、とりあえず事故として原因を調べているんだよ。しかし、3件となると偶然とは言えないし、これが何かの事故だというのもちょっと疑問が残るな」
村田はそう言いながら首を傾げている。
「前の2件の被害者は、何か繋がりはあるのか?」
「友人らしい。高校の同級生だった」
「今回のは?」
「今から調べるところだけど、被害者はそこの部屋の住人の可能性が高い。宮本継夫という23歳の男性なんだが……」
「まさか、前の2件も?」
「そう。同じ歳の男性だよ」
ゴクリ、と唾を飲み込む内野。もし被害者3名が知り合いだとしたら、事故ではなく何者かの意思による殺人である可能性が高くなる。しかし、こんなふうに人だけ燃やし尽くすなど、どんな方法で?
「連続殺人となると県警捜査一課のお出ましだな。うちの署に捜査本部が立つ。おまえも参加するかもしれんな」
村田に言われたが「いや……」と首を振る。内野は現在、管理官である倖田睦夫に疎ましく思われており、チームでの捜査からは外されることが多くなっていた。
怪訝な表情で見つめてくる村田に「何か進展があったら教えてくれ」とだけ言い残し、内野はその場を後にした。
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