十四歳

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十四歳

 十月二十八日 十四歳    優しくなろうとしました。綺麗な宝石を想った時、誰かに取られない為に秘密の宝箱に隠そうとしました。でも私は顕示欲が人一倍強くて、誰かに自慢したくて堪らなかったので、宝箱を開いて皆に自慢しました。優しい生き方をすると褒められたので、それが正解なのだと思いました。私は全てを理解されたいとは思わなかったけど、熱が入った演説を拒絶されると、とっても震えました。  多分私はひどくおかしいのだと思います。自分が毎秒気持ち悪くなって、誰にも相談できない孤独に打ちのめされます。したい事をすると、するなと言われます。逃げ切れば喜劇になるのですが、本当に難しいので悲しかったです。朝焼けに染められた海と望遠鏡で覗いた夜空は二つとも大きすぎて宝箱に入れられなかったので、地球に匿ってもらいました。勿論あの子にも入ってもらいました。でもあの子は歩いていきます。
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