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「おはよう、絵美ちゃん……」
「おはよう、舞翔! 昨日は大丈夫だった? て、すごい隈だよ」
「あはは、寝不足かなぁ?」
次の日、教室に登校するや否や仲の良い友達、絵美に声を掛けられた舞翔は、曖昧に苦笑した。
昼間に寝た所為で夜眠れず、結局夜なべでドローンをいじっていた、などと口が裂けても言えない。
「あ、さてはまた深夜までドローンいじってたんで」
「静かにっ!!」
もはや反射的に、舞翔は絵美の口を塞いでいた。
それからまるでコソ泥のように、周囲をきょろきょろと見回す。
舞翔は目標がいないことを確認すると、ほっとしたように手を放した。
「ぷはっ、ていきなり何するのよ舞翔!」
「浦風くんは来てないよね!?」
「はぁ? 武士? あいつはいつも遅刻ぎりぎりじゃん」
舞翔はそれを聞いて、ほっとしたように大仰に息を吐き出した。
今の話を聞かれていたら、危なかった。
しかし何とか回避できたようである。
「何だよ空宮、お前武士に気でもあるのかぁ?」
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