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担任教諭も、武士の後ろから続けて教室へと入ってきた。
「げ、斉藤先生」
「信二くん、何してるの? 早く席に着きなさい」
信二が振り向けば、既に舞翔と絵美は席に着いていた。
少しバツが悪そうな表情で、信二は席へと戻った。
「あんたのそれ、好きな子へのアピールとしては逆効果だから」
隣の席の絵美が信二を小突く。
信二は泣きそうな顔をしていたが、それはまた別の話である。
舞翔はほっと胸を撫で下ろした。
幸いなことに、武士の席は一番後ろの窓際、舞翔の席は前の方の廊下側である。
これでもう関わることもあるまいと、舞翔は安心して朝の会に勤しんだ。
しかし、そんな舞翔の目算は、残念ながら甘いと言わざるを得ない。
「バトルドローンをやめた、かぁ」
浦風武士、主人公にしてバトルドローンに関しては地獄耳である。
教室に入る前とはいえ、舞翔の話をしっかりと聞いていた彼は、じっと舞翔の後ろ姿を見詰めていた。
「気になるなぁ」
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