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舞翔の思考は、高鳴る鼓動の音に支配され始めていた。
そもそも自分は、元々がモブなのだ。
ちょっとバトルドローンをやっていて、武士とクラスメイトで、話しかけられたというだけで、どこにも特別な要素なんてない。
それこそ何の変哲もない、モブじゃないか。
そんな舞翔が少し主人公と関わったくらいで、本編に影響を与えてしまうなんて、そんなことがあるか?
思い上がりもいいところである。
モブの行動のひとつやふたつ、この大きなアニメ本編という流れには、何の影響もある筈がない!
舞翔の瞳は輝いて、頬は薔薇色に染め上がる。
完全に推しを目前に、興奮状態である。
気付けば、うずうずする気持ちを抑え切れず、階段に足を掛けていた。
だがしかし、その一歩で足が震えた。
「駄目よ舞翔、もし万が一、億が一にもアニメ本編に影響したらどうするの!?」
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